トリオアルマナケ

トリオ・ロス・パンチョスに代表される伝統的なスタイルを継承する、今では非常に貴重な存在となったフレッシュなトリオ。何と平均年齢は若干23歳、リーダーであり最年少のエンリケ・コルテス（21歳）、兄のアルベルト・コルテス（23歳）、彼らの従兄ミサエル・レジェスとの3人で結成された「トリオ・アルマナケ」（マヤ語でカレンダーという意味）は2008年3月に初来日。
コルテス兄弟はメキシコシティにある"メヒコ・リンド・ケ・リコ"、"ラ・バルバ"というレストランや、カジノ・エモシオン等で6年ものキャリアを持つ。そしてミサエル・レジェスの父親は、2度の来日経験を持ち、一度は自らが主宰したトリオ・ロマンティコスで、２度目は伝説のトリオ、「ロス・トレス・レジェス」の一員として来日したマルティン・レジェスであるので、彼はトリオ界のサラブレッドと言われる。ミサエルは2001年よりトリオ・アビ・レイ、2002年よりはトリオ・ロス・ソベラーノスのメンバーとして活躍しているのですでに経験は充分。メキシコの名レーベル「ムサルト」社のレコーディングにも参加している。
卓越したギター・テクニックと切れ味の良いリズム感が特徴的で、非常に高度な演奏レベルに圧倒され、すでに貫禄すら感じられる。特にレキント奏者アルベルト・コルテスの速弾きに注目したい。また、熟練したトリオに劣らない、心地よく響くヴォーカル・ハーモニーが素晴らしい。おそらくメキシコ中を探しても、彼らのような若い世代でメキシコの伝統あるトリオを継承しているグループは今では存在しないだろう。